「家に近づくとトイレに行きたくなるのはなぜ?」って思い当たる節ありますよね!! ― ドアノブ症候群との関係
みなさん、こんな経験ありませんか?
「駅から家までなんとか我慢して歩いていたけど、玄関の前に着いた途端に急にトイレが我慢できなくなった!」
それまで大丈夫だったのに、家が近くなると急に尿意が高まるあの現象。実は、これにはちゃんとした名前と、脳と体の仕組みが関係しているんです。
その名前が”ドアノブ症候群(ドアノブ・シンドローム)“
この名前って、ちょっとユニークですよね!!ドアノブ。つまり玄関のドアを開けようとするタイミングで症状が現れることから、こう呼ばれるようになったみたいなんです。
じゃあ、なぜこの現象が起きるのかというと、ポイントは「安心」と「条件反射」
私たちの身体は無意識のうちに環境に反応しています。例えば外出中は「今はトイレに行けない」という意識があるため、交感神経が働いて緊張状態になります。そのおかげで尿意をある程度抑えることができているようなんです。ところが、家が近づいてくると「もうすぐトイレに行ける」という安心感が生まれ、副交感神経が優位になり身体がリラックスし始めます。
このリラックスが曲者で…。気が緩むことで今まで我慢できていた尿意が一気に高まるんです。そして玄関の前、あるいは鍵を開ける瞬間に「もう無理!」となってしまう。まさに、ドアノブに手をかけると同時に限界が来るというわけです。
さらに興味深いのが、この現象が「条件反射」として強化されていくことです。子どもの頃から「家=トイレに行ける場所」として学習している私たちの脳は、家に近づくたびに「そろそろトイレだぞ」と自動的に反応するようになっていきます。犬がベルの音でよだれを出す「パブロフの犬」とよく似た原理だそうです。
だから、毎日同じルートで帰っていると、特定の角を曲がった瞬間や玄関が見えた瞬間に尿意がピークに達する、ということが起こるわけです。
ちなみに、”ドアノブ症候群“は尿意だけではなく、排便の欲求や、時には咳・くしゃみ・腹痛、持病の症状悪化などにも関係していることがあります。どれも「もうすぐ安心できる場所に着く」という気持ちと関係しているんですね。
もちろん、たまにトイレがギリギリになってしまう程度なら問題ありませんが、日常生活に支障をきたすほど頻繁に起こる場合は、泌尿器科や心療内科に相談してみるのも良いかもしれません。
でも、多くの場合は身体が家という安全地帯を察知して、緊張の糸をゆるめてくれる自然な反応です。ちょっと面白い身体の仕組みとして受け入れてあげるのもアリかもしれませんね!!
ですが…。あまりに気になるようなら。どうすればいいの?
まず一番大事なのは過剰に不安にならないこと。そして症状が気になる場合は以下のような対策を試してみるのがオススメです。
- 通勤・通学ルートをたまに変えてみる
- 帰宅前にどこかでトイレに行っておく
- 深呼吸や腹式呼吸をしてリラックス
脳の条件反射をリセットするのに効果があります。
「もう済ませたから大丈夫」と自分に言い聞かせることで安心感が得られます。
副交感神経を穏やかに働かせて、腸の暴走を防ぎます。
というわけで、家の前で急にトイレに行きたくなっても、「自分の身体はちゃんと家が近いってわかってるんだなぁ」と、優しく見守ってあげてくださいね!!