腕のねじれと”巻き肩“

前腕のねじれと”巻き肩“の関係って、ホント深いんです…。

姿勢が悪く巻き肩に

人間の腕は、肘から手首にかけての前腕という部分に2本の骨(橈骨と尺骨)があります。この2本の骨は、手のひらを返す動き(回内・回外)によってねじれる構造になっています。

パソコン作業、特にキーボードやマウスを長時間操作する際、多くの方が無意識のうちに、手のひらを下にして内側にねじる(回内)状態で作業をしています。この回内位が長時間続くと、前腕の筋肉が硬くなり、ねじれた状態で固定されやすくなります。

パソコンを使って腕が捻れて

この前腕のねじれは、実は肩甲骨の動きにも影響を与えます。前腕の筋肉は、上腕(二の腕)の筋肉と連動し、さらに肩の周りの筋肉にもつながっています。前腕がねじれて硬くなると、そのねじれが上腕、そして肩甲骨へと伝わり、肩甲骨が外側に開いて前方に引っ張られるような状態になりやすいのです。

これが、いわゆる”巻き肩“を悪化させる一因と考えられています。

”巻き肩“は、見た目の問題だけでなく、”首や肩の痛み“または”頭痛“、さらには”呼吸のしにくさ“など、さまざまな不調を引き起こす可能性があります。

パソコン作業での手の甲を上にする姿勢はなぜ良くない?

「手の甲を上にする」という表現は、正確には「手首を反らせて手の甲側を上に向ける」ことを指しているかと思います。これは、マウス操作時に手首を立てすぎたり、キーボードを打つ際に手首が反り上がったりする状態ですね。

マウスを使うと手首が反る

このような姿勢は、以下のような点で身体に負担をかけます。

手首への負担増大

手首が不自然に反ることで、手根管(手首の神経や腱が通るトンネル)が圧迫されやすくなります。これにより”手根管症候群“などのリスクが高まります。

前腕のねじれの増加

手首を反らせる動きは前腕の特定の筋肉に過度な負担をかけ、ねじれを増加する可能性があります。特に、手首を反らせたままの状態で指を動かすと指を動かす筋肉も緊張し、その緊張が前腕全体に広がり、さらにねじれを強めることにつながります。

肩への影響

手首や前腕の不自然な緊張は、肩の筋肉にも伝わり、”肩こり“を悪化させたり、”巻き肩“の傾向を強めたりすることがあります。

腕の捩れが原因で肩こり

理想的なパソコン作業時の手首のポジションは、手首をまっすぐに保ち、キーボードやマウスに対して水平に近い状態です。手首に負担がかからないよう、パームレストなどを活用するのも有効です。

指を反らすストレッチで”巻き肩“を予防!

前腕のねじれや手首の負担を軽減し、”巻き肩“の予防につながる簡単なストレッチをご紹介します。特に、指を反らすストレッチは、前腕の筋肉にアプローチし、硬くなった筋肉をほぐすのに効果的です。

これは、指を伸ばす筋肉(伸筋群)が前腕のねじれに深く関わっているためです。

簡単ストレッチ方法

仕事の合間なんかにも簡単にできるストレッチですので、是非是非やってみて!!

  • 片腕を前に伸ばす
  • 腕を前にまっすぐ伸ばし、手のひらを下(床の方)に向けます。

  • 指を自分の方へ優しく反らす
  • もう片方の手で、伸ばした手の指先(手の甲側)をつかみます。そして、ゆっくりと指を自分の方へ向かって(手の甲が伸びるように)優しく反らせます。このとき、手のひらが反るのではなく、あくまで指の付け根から甲側が伸びるイメージです。

    指のストレッチでまき肩改善

  • じっくりキープ
  • 気持ちいいと感じる範囲で、20~30秒間キープします。痛みを感じるほど無理に反らさないでください。

  • ゆっくり戻す
  • ゆっくりと元の位置に戻し、反対側の腕も同様に行います。

このストレッチを、休憩時間や作業の合間にこまめに行うことをおすすめします。特に、長時間キーボードを打った後やマウスを操作した後には効果的です。

その他の予防策と快適な作業環境づくり

”巻き肩“や”腕の不調“を予防するためには、ストレッチだけでなく、日頃の意識と環境づくりも大切です。

  • 正しい姿勢を意識する
  • 椅子に深く座り、背筋を伸ばします。

    足の裏はしっかりと床につけるか、フットレストを使用します。

    画面の高さは目線と同じか、やや下になるように調整します。

    肘は自然に曲げた状態で、キーボードやマウスに手が届くようにします。

  • こまめな休憩
  • 1時間に1回は席を立ち、軽い体操やストレッチを行いましょう。

  • デスク環境の見直し
  • ご自身の体格に合ったデスクと椅子を選びましょう。

    キーボードやマウスの位置も、無理のない姿勢で操作できるか確認しましょう。人間工学に基づいたデザインの製品を試してみるのも良いかもしれません。

    パームレストやリストレストを活用し、手首への負担を軽減しましょう。

まとめ

パソコン作業は現代社会において避けられないものですが、身体の使い方や環境を少し意識するだけで、”巻き肩“や”腕の不調“を大きく改善できます。

改善できますよ

特に、前腕のねじれが”巻き肩“と深く関係していること、そして手の甲を上にするような不自然な手首の姿勢が良くないことを理解し、指を反らすストレッチを積極的に取り入れてみてください。

日々の小さな心がけが、快適なパソコンライフへと繋がります。ぜひ今日から実践して、スッキリとした肩と腕で、より集中して作業に取り組めるようになりましょう!

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