推す力と引く力の違い

人間の「推す力」と「引く力」この2つの力には、意外と奥深い違いがあります。

推すのか引くのか

「推す」は、物を押して遠ざける動作、「引く」は自分の方へ引き寄せる動作ですが、どちらの力が強いのか?また、それぞれにどんな特徴があるのか?日常動作や筋肉の使い方を交えながら、ざっくりと解説してみましょう!

最初に結論から言うと…。「引く力」の方が強い!!

一般的に、人間は「引く力」の方が「推す力」よりも強い傾向にあります。これは筋肉の構造や動きのメカニズムに関係しています。例えばドアを開けるとき、重いものを手前に引き寄せるとき、犬の散歩中にリードを引っ張るとき――こうした「引く動作」には、大きな筋肉群が関与しています。

特に”広背筋(こうはいきん)“や”上腕二頭筋(じょうわんにとうきん)“などが背中や腕の筋肉が引く動作には活躍します。これらの筋肉は比較的大きく「持久力もあり、長時間の作業」にも向いています。

  • 後頭下筋群

一方で、「推す動作」では主に”大胸筋(だいきょうきん)“や”三角筋(さんかくきん)“そして”上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)“などが使われます。これらは日常でもよく使う筋肉ですが、引く動作で使う筋肉に比べるとやや小さく、パワーの持続性も若干劣ることが多いです・・・。

  • 大胸筋

ですが、体験としても「引く方が楽と感じたことがない?」という人もいると思います。

たとえば、ソファを動かすとき、後ろから押すよりも、前から引いた方がコントロールしやすくて力も伝わりやすいと感じたことはありませんか?あるいは、重たいスーツケースを押すより、手前に引いて転がした方が断然楽ですよね!!

これは「てこの原理」や「重心の安定」も関係していますが、身体の構造上、引くときは身体全体をうまく使えるのに対し、押すときは腕や肩に負担が集中しやすいのです。

てこの原理

スポーツやトレーニングでも違いが出てきます。

筋トレで考えてみると、「懸垂(けんすい)」や「ラットプルダウン」は引く動作、「ベンチプレス」や「腕立て伏せ」は押す動作です。どちらも大事なトレーニングですが、初心者の方は押す動作の方が難しく感じることが多く、それは筋肉が小さいためだったり、バランスをとるのが難しいためです。

また、スポーツでも「引く力」の強さが重要になるシーンは多いです。相撲で相手を引き込むとき、レスリングで引っ張ってバランスを崩すとき、クライミングで自分の身体を引き上げるときなど、「引く力」はとても実用的で、パワーを発揮しやすいのです。

っと言いましたけど、それぞれに役割があるから、どちらも大事!

決して「推す力」が不要なわけではありません。押す動作も日常生活やスポーツ、あらゆる動作で大切です。たとえば、ボールを投げる、ドアを閉める、箱を押して移動させるなど、押す動作なしでは生活できません。

推す力、ドアを推す

また、身体のバランスを保つためにも「押す筋肉」と「引く筋肉」をバランスよく鍛えることが重要です。どちらか一方に偏ると、姿勢が崩れたり、”肩こりや腰痛“の原因になったりします。

まとめ

引く方が強いけど、推すのも欠かせない!

人間の身体は、引く動作の方が得意で、力も出しやすい構造になっています。でも、推す動作も生活に欠かせない重要な力。どちらが強いかを知ることも大事ですが、それ以上に「どちらも使えてこそ、健康で快適な身体になる」ということを覚えておきたいですね。

推すも引くも大事です

最後に一言。もし筋トレを始めるなら「押す」「引く」をバランスよく!あなたの身体がもっと快適に動いてくれるようになりますよ!

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